■ 正解を探すほど、答えが遠のく。

経営をしていると、いつも何かを「決める」場面に立たされる。
採用、配置、給与、評価、方針。
どれも簡単じゃない。

昔は、全部に“正解”があると思ってた。
「こうするのが一番いい」「みんなが納得する方法がある」――そう信じてた。

でも現実は、どんなに考えても全員が納得する“正解”なんて存在しない。
やれば批判されるし、やらなければ不満が出る。
どっちに転んでも、誰かは何かを言う。

だから今は思う。
大事なのは“正解”じゃなく、“納得解”を選ぶこと。
“自分が腹の底から納得できるか”――それが一番の判断基準。

 

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■ 「みんなの意見を聞く」と「みんなを納得させる」は違う。

会議の場で意見を求めると、色んな考えが出てくる。
「こっちの方が効率的です」「いや、安全性を優先すべきです」
どっちも間違ってない。

でも、全員の意見を取り入れていたら、
結局“誰の意見でもない中途半端な決定”になる。

リーダーの仕事は、“みんなを納得させること”じゃない。
「この決断には理由がある」と、堂々と示すこと。

結果的にうまくいかなかったとしても、
筋が通っていれば人は納得する。
逆に、理由も曖昧で“なんとなく決まった”ことほど、あとで揉める。

“正しいかどうか”よりも、
“なぜそうしたか”をきちんと語れるか。
そこに、リーダーとしての信頼が生まれる。

 

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■ 「納得解」は、頭じゃなく“腹”で決めるもの。

何かを決めるとき、数字やデータも大事。
でも最後は、腹の感覚。
「これやな」と感じる方に、自然と心が傾く。

この“腹の納得”って、経験と覚悟の積み重ねからしか生まれない。
迷って、失敗して、立ち直って――その繰り返し。
だから、若い時ほど「根拠を出せ」と言われても、ピンとこない。
だって、まだ“痛み”を知らないから。

痛みを知るほど、判断に重みが出る。
そしてその重みが、“納得”を生む。

 

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■ 「あの時、間違ってたかもしれない」でいい。

経営の面白いところは、時間が経ってみないと
その決断が正しかったかどうか分からないところ。

数年前に下した判断が、今になってようやく意味を持つこともある。
逆に、当時は完璧だと思った選択が、後になって“あれは違ったな”と気づくこともある。

でも、それでいい。
あの時の自分が本気で考えたなら、それは“正解”じゃなくても“納得解”。

完璧を求めて何も動かないより、
納得して一歩踏み出す方が、ずっと健全。

 

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■ 人は“理屈”じゃ動かない。動かすのは“心”だ。

どんなに正しいことを言っても、
心がこもっていなければ人は動かない。

「こうすべき」「こうした方が効率的」――理屈では正しくても、
現場で動く人たちは“温度”を感じている。

だから、リーダーが一番大事にすべきは「伝え方」じゃなく「伝わり方」。
言葉の上手さより、覚悟の深さ。
どれだけ“自分の言葉で”語っているか。

“正しい”より“伝わる”。
その方が、ずっと強い。

 

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■ 「おかげさま」で決断できるように。

決断って、孤独です。
誰にも相談できないこともある。
でも、そんな時こそ思うんです。

――「おかげさま」って言える選択をしよう、と。

誰かのせいにする決断じゃなく、
「全部、自分で選んだ」と胸を張れる決断。
それが、僕の中での“納得解”の定義です。

正解より、納得解。
完璧より、覚悟。
理屈より、温度。

それが、僕の「社長の頭の中」。

 

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💬 問い

あなたは今、誰かの“正解”を探していませんか？
それとも、自分の“納得解”を選べていますか？

 

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✳️ 次回予告

🌟 第7回：「“好き嫌い”で決めてもいい。」
正しい判断より、“好き”が原動力になる瞬間がある。
感覚で決めることの怖さと、そこに宿るエネルギー。
次回は、“好き”で会社を動かすという考え方を語ります。